Appleの販売戦略から学ぶiPhone成功の秘密とは!
スマートフォン世界シェア第2位のApple(2022年)。iPhoneを始め、様々なスマートデバイスを販売しており、日本では現在3人に1人以上がiPhoneを利用しているほど人気のメーカーです!
でも…
実はこの人気は日本だけなんです。
世界では10人に1人程度しか使っていません。
しかもこのシェア率は日本を抜いたらさらに下がることでしょう。
では、いったい何故こんなにも世界との差があるのでしょうか?
なぜ日本だけが世界と逆なのか…
それは、Appleの高い販売戦略にあるのです。
この販売戦略の魔法によって多くの日本人が虜となっているのです。
今回はAppleの高い販売戦略によるiPhoneの成功の秘密をご紹介します!
- 目 次 -
Appleの販売戦略
世界のスマートフォンシェア率は2022年3月時点で
1位:サムスン 24%(2億7200万台)
2位:Apple 18%(2億3570万台)
3位:シャオミ 13%(1億9100万台)
4位:OPPO 10%(1億3350万台)
となっています。
ですが、日本におけるシェア率はiPhoneが49.7%、Androidが50.2%(2020年時点)と約2人に1人がiphoneを使用しています。
最も多いときは2014年で約70%ものシェア率となっていました。
これは世界的に見ると非常に異例なことです。
ではいったいなぜ日本だけがこんなにもiphoneのシェア率が高いのでしょうか。
それは日本人の特性に最もAppleの販売戦略がハマってしまったからなのです。
まず、Appleの販売戦略は「いかに高い利益を獲得できるか」という点にあります。
Apple社が公表している販売戦略は
『 生産コストが安い製品を高額で販売するための最高のプロモーションを行うこと。』
です。
つまり、安い商品をいかに広告やCMなどで最高の商品だと宣伝し、より高額で販売するか。ということです。
確かにiPhoneを始め、Apple製品のCMはどれも魅力的でクオリティの高いものばかりです。
これによって詳しい機種の内容も知らないのに非常に優れた商品だと思ってしまいます。
ただし実際の機種のスペックで言うとAndroidのミドルスペックの機種に最新のコアだけを入れた程度です。
それなのに、価格を高額に設定することで勝手に高級品=良いものだと信じてしまうのです。
これこそが、Appleの高いブランディング効果による販売戦略です。
そして、最も値段が高いものが最高に良いものだと思ってしまう国民、それが日本人です。
つまり、Appleの販売戦略に最もハマってしまったのが日本だったのです。
Appleが莫大な利益を得ているのは、売上のほとんどが利益だからなのです!
変わってしまったApple…
Apple社の共同設立者であり、CEOであったスティーブ・ジョブズがいたころは、iMacやiPodなどをはじめ、夢のようなデザインの商品を世に送り出しました。
そして、iPhoneが登場したときは、世界中がワクワクし新しい未来を体感しました。
スティーブ・ジョブズが亡くなった今、魅力的なデザイン、機能などAppleらしいものは無くなってしまいました。
いや、もはや夢のような商品は出せないといったほうが真実なのです。
iPod、iPhone、iPad、Apple Watchなど、これまでアップルの象徴的な製品をデザインしたチーフデザインオフィサー(CDO)、ジョナサン・アイブもAppleを去りました。
これはAppleがスティーブ・ジョブズが率いた「デザインファースト」の時代から脱却していることが理由だと言われています。
その結果、『生産コストが安い製品を高額で販売するための最高のプロモーションを行うこと。』という非常に残念な販売戦略を打ち出すことになってしまったのです。
2017年のiPhoneXから数年経っても、ただアップデートだけしか行われない同じデザインの商品。
耳うどん。とまで言われたAirPods。
ダサすぎる3眼カメラだけが付いたiPhone11。
新色追加しかできない新商品発表。
もしもジョブズが生きていたならば、絶対にこんなことにはなっていないでしょう。
新製品の発表のたびにあんなにもワクワクした夢のような商品をつくるAppleはもういないのです。
iPhoneの販売価格は国によって大きく違う!
Appleの高い利益を獲得する戦略は、単純に販売価格にもあります。
実は国によっても大きく値段を変えています。
例えば↓のようにアメリカとヨーロッパの場合、約3万円以上も値段を上げて販売しています。
・米国:1,064ドル(約11万8,000円)
・EU:1,159ユーロ(約14万9,000円)
もちろん関税などがあるため、アメリカ以外の国は高くなるのですが、ここまで上がることはありません!
これは高級品思考の国に対してのブランディングで、高い利益を獲得するための販売戦略の1つです。
日本のように高い=良いものと思う文化のある国に対しては価格を上げているのです。
iPhoneの原価は実は安い!
iPhoneの生産ラインはオートメーションが進化しているため、組み立てに掛かるコストはごくわずかです。
さらに、日本ではAppleがすべて研究開発しているようにプロモーションをしていますが、実は自社開発は少なく、研究開発への投資額も、他の競合メーカーと比べて少ないのです。
よって、例えばiPhoneXの場合、すべてを合わせても400ドルに満たないそうです。
また、新商品にはデザイン費用が大きく掛かりますが、Appleはここ数年ほとんどデザインを変えず、ただアップデートだけを繰り返しているのでデザイン費用も掛かっていません。
さらに機能面で言うならば、例えばiPhone11はAndroidで言うならばミドルスペック程度です。
価格で言うならば、5万円のAndroid端末にも満たない端末しかありません…。
それが10万円以上の金額で販売しているのです。
Apple信者をいかにつくるか。
iPhoneの販売戦略は他にもあります。
それは、Apple製品しか買わないApple信者(ファン)をいかにつくるかです。
独自の規格によってApple以外ものはなるべくリンクしないようにし、Appleの製品であればどれもリンクし、フルパフォーマンスが出来るようにしています。
もちろんこれは他のメーカーでも行っています。
ただし、Appleの戦略の違いは、
「Appleの製品が世界最高!」だと思わせることです。
CMなどをみれば、「スマートフォン至上最も優れている!」などと言っているように見えますが、バッテリー、防水、ディスプレイ、カメラにせよ、実はすべてこれまでのiPhoneの中で1番なだけなのです。
他のメーカーは「世界初」「世界NO1」などと、他の企業との比較で宣伝しているのに対し、Appleは自社の中で過去最高だと言っているのです。
また、これまでの商品においても我々日本人がAppleが世界初だと思っているものがあります。
×:スマートフォンを発明したのはApple
↓
〇:正解はノキア
×:スマートフォンにカメラや音楽プレーヤー機能を付けたのはアップル
↓
〇:正解はサムスン
Appleは世界を変えてきましたが、実は世界初というのは少ないのです。
こういった戦略によって、Appleは1つのブランドとしての確立し、Appleのものしか買わないというApple信者を増やしていきました。
その信者の獲得に最も成功したのが日本なのです。
iPhoneがサクサク動く理由
iPhoneが優れている点に、多くの人はサクサク動くから。という理由が多かったと思います。
これは確かに事実でした。
実はこれにもAppleの高い戦略がありました。
Android端末は購入した時点で、docomo、au、ソフトバンクなどのキャリア専用のアプリや機能が追加搭載されているため、使用できるメモリがデフォルトで少なくなっているので、すぐに重くなってしまうのです。
iPhoneはこれを避けるため、キャリアのアプリや機能の追加搭載を全てNGとしました。
また、Androidと比較して、iPhoneはデフォルトの機能が非常に少ないです。
ハイスペックのAndroidユーザーからすればビックリすることでしょう。
この機能の少なさもiPhoneの動作が軽いことに繋がっています。
逆にAndroidは機能が多すぎる気もしますけどね…。
さらに処理能力の低いコアや、メモリが低く、価格も安い、いわゆるライトスペックのAndroid端末を使用しているユーザーからの、Androidは動きが遅いと言った間違った評価もiPhoneの後押しになりました。
魔法が解けない日本人…
このように、ハイセンスなCMやプロモーション、また高価=高級品というブランドイメージによって、我々日本人はApple=最も優れたブランドだと洗脳されてきました。
また、日本のメディアもイメージダウンになることを書けば、不評や掲載が出来なくなるので、ずっとiPhoneを始めApple商品を常に良い評価をしています。
Apple対●●メーカーという比較はもう見慣れているはずです。
ただ、世界からはこう言われています。
- 「ミドルスペック端末をハイスペック端末価格で販売しているぼったくりメーカー。」
- 「メモリを少し上げただけで数万円も高くなる。しかも外部メモリを使用できなくさせているので選択肢すらない悪徳メーカー。」
- 「CMで防水、バッテリー、カメラが最も優れているとか、2年前のAndroid端末と同程度しかないのに。」
- 「何年も同じデザインしか出さないなんて信じられない。しかもどんどんダサくなってる。」
などと言われており、iPhoneX以降は特に不評です。
これまで日本ではiPhone信者たちが「iPhoneは完成されているからデザインが変わらない」などといった魔法の言葉によって、長くトップの市場を保ってきましたが、現在ではこの日本でもiPhone離れが加速しています。
現実はこうなのです。
- iPhoneよりもハイスペックなAndroid端末が5万程度で売っている。
- デザイン、カメラ、ディスプレイ、機能のほぼすべてがAndroid端末の方が上回っている。
- proという機能に見合わないネーミング。
- デザインがダサい。
- AirPodsは付けてる自分の姿を見てほしい。本当にダサい。
そしてとうとう速くなることしか能がなかったのに、遂にiPhone14ではわずかなカメラ機能程度しか変わらなかったのに約12万に値上げされたのです…
もはや夢のような商品をつくるAppleは存在しません。
そして、その長い魔法もようやく日本でも解けてきているのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
世界では、フォルダブル(折りたたみ)や5Gなど2019年初頭からかなり話題となりました。
ですが、2019年以降に発表されたAppleの新製品の発表は現在に至っても、もはや何一つ新しく感じるものがありません…。
数年前と同じデザインの端末に、数年前にAndroidで盛り上がった3眼レンズ、且つ非常にダサいデザインのものが付いただけのiPhone11を見たときは、これで終わったなと非常に残念に思いました。
最後に感動したのは、iPhone Xのときが最後でしたね。
あんなにもAppleの新製品の発表を待っていた頃がもう懐かしいですね。
筆者としては日本のメーカーを応援しています。
残念ながら世界のシェア率が非常に低い日本のメーカーのシェア率が今後増えることを期待しています!
さて。
みなさんは今どんな機種を使っていますか?
次に何を買いますか?
もしも、今販売されているAppleの商品が、Apple以外のメーカーであっても買いますか?
それならいらない!
と今思ったあなたはAppleの販売戦略に見事にハマった人です。
もちろん、この先はどうなるかはわかりません。
夢のようにワクワクする商品をつくるAppleに戻ってくれることを強く期待しています。
また世界に夢を見させてくれる日を待っています!
今後の端末の購入を選択する際に、少しでもみなさまの参考にしていただければと思います!